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みなさんこんにちは!
長池庭園、更新担当の中西です。
~コンテナハウスの鉢植え~
近年、オフィス・カフェ・仮設住宅などにおいてコンテナハウスの活用が急増しています。簡素でスタイリッシュな外観が人気ですが、その一方で、「無機質すぎる」「温かみがない」といった声も多く聞かれます。


こうした中、鉢植えによる植栽工事が、手軽かつ効果的な“癒しと魅力の演出方法”として注目されています。今回は、造園業者が手がけるコンテナハウス緑化の技術と設計思想を掘り下げます。
根を張らないため、設置場所の自由度が高い
季節やイベントに応じて植物の入れ替えが可能
コンテナ自体を移動する際も緑をそのまま持ち運べる
水やり・剪定・植え替えが容易
排水・土壌流出のコントロールが可能
害虫対策も鉢単位で対応可能
→ 「手軽に管理できる緑化」として都市部や商業施設での導入が進んでいます。
黒・グレーなどの無機質な外壁には明るい葉色や高低差のある植物を組み合わせる
鉢の色・素材(テラコッタ・FRP・木製)を外観に合わせてコーディネート
屋外設置の場合:ユッカ、ソテツ、オリーブ、ニューサイランなどの乾燥に強い植物
半日陰の場合:アジアンタム、シダ、アイビーなどの耐陰性種
四季を通じて楽しめる常緑+花期のある植物のミックスも効果的
現地確認・日照・風通し調査
プランニング(配置計画・高さ構成・通路干渉の確認)
鉢・培養土・排水材の選定と搬入
植栽・固定処理・初期養生
管理方法の説明とアフター点検計画
→ 単なる「植物の配置」ではなく、空間演出と環境配慮を両立する施工技術が求められます。
鉢底からの排水不良により根腐れ
サイズ・重量の見積もりミスで転倒・搬入困難
屋根や外壁に植物が干渉し塗装・断熱に影響
→ 施工前の現地調査と、植物選定に基づいた技術的判断が極めて重要です。
鉢植え植栽は、コンテナハウスに“命の息吹”を与える手法です。それは単なるインテリアではなく、見る人の心を和らげ、空間の価値を高める“環境資産”としての役割を担っています。
造園業者としては、施工力と提案力を活かして、この小さな緑化工事の中に“大きな意味”を創出する仕事が求められています。

最後にお知らせです。長池庭園では、一緒に働いてくださる仲間を募集しています。造園はチームワークが命。未経験の方でも「植物が好き」「自然の中で働いてみたい」という想いがあるなら大歓迎です。ぜひ求人情報ページもご覧ください!
それでは、次回の更新をお楽しみに。
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みなさんこんにちは!
長池庭園、更新担当の中西です。
~中門門被り松の剪定~
和風の邸宅や料亭の玄関先に立つ、美しく枝を張った一本松それが「門被り松(かどかぶりまつ)」です。特に「中門(ちゅうもん)」に配される門被り松は、訪れる者を迎え入れる“日本の美意識とおもてなしの象徴”として大切に扱われてきました。


この松の剪定作業には、単なる樹木管理を超えた造園職人の技と哲学が求められます。
門の正面またはやや外側に位置する一本の松
枝を斜めに広げ、門の上部や周囲に“被る”ように剪定される
「繁栄」「迎え入れる心」「風格」を象徴
※日本庭園の中でも最も目立つ位置にあるため、「家の格」「管理の質」が現れるとされる重要な存在です。
無駄な枝を整理し、主幹と流れ枝の美しいラインを強調
枝の高さや角度、流れの「左右バランス」が非常に重要
**門にかかる“絶妙な被り加減”**が美しさの決め手
→ 「見た目が自然、でも計算された美」がプロの腕の見せ所です。
春(5〜6月):新芽の調整、不要枝の軽剪定
秋(10〜11月):全体の形を整える「本剪定」
特に秋は古葉を手でむしる「葉むしり」作業が丁寧に行われ、枝の輪郭がより明確に。これにより、松本来の“透け感”と“静けさ”が際立つのです。
松そのものの形だけでなく、背後の門構え・壁・空間とのバランスを見て剪定
枝が屋根瓦にかからないように配慮しつつも、“包み込むような枝ぶり”を演出
→ 一枝一枝が「景を作る一筆」であるという意識が大切です。
手バサミ・ノコギリ・竹ハシゴなどを駆使
地上からの目線を意識して、高所でも「下からどう見えるか」を常に想定
「枝を切る」より「枝の流れを創る」という発想が重要
枝を切りすぎて門被り感が失われる
枝の高さ・角度が不揃いで風格がなくなる
重心が門から外れてしまい構造バランスを損ねる
→ 門被り松は“建築物の一部”と捉える視点が不可欠です。
中門にそびえる門被り松は、日本庭園における精神性と技術の象徴です。単なる「剪定作業」ではなく、そこには空間全体を構成する美意識と設計思想が込められています。
だからこそ、プロの造園業者が手がける剪定は、ただ形を整えるのではなく“生きた美”を演出する仕事なのです。
最後にお知らせです。長池庭園では、一緒に働いてくださる仲間を募集しています。造園はチームワークが命。未経験の方でも「植物が好き」「自然の中で働いてみたい」という想いがあるなら大歓迎です。ぜひ求人情報ページもご覧ください!
それでは、次回の更新をお楽しみに。
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